フッ素って本当にいいんですか?

[2011年07月25日]
フッ素を歯の表面に長期間繰り返し作用させることで、継続的に歯質を強化することができるので、う蝕予防効果が得られます。特に乳歯と永久歯が生え変わる小児期に、歯の萌出途上からフッ素を繰り返し作用させることで、う蝕予防効果が高まります。

①歯質の強化

フッ素を繰り返し作用させることで、エナメル質アパタイトの結晶性が向上し、溶解性が減少します。また、フルオロアパタイトが形成され、耐酸性を獲得します。

②萌出後のエナメル質の熟成の促進

萌出後間もない歯は化学反応性が高く、う蝕に罹感し易いが、同時にフッ素の作用も受けやすい状態になります。フッ素は、唾液中のカルシウムやリン酸の取り込みを活発化し、萌出後のエナメル質の成熟を促進し、う蝕抵抗性を獲得します。

③初期う蝕の再石灰化とう蝕の進行抑制

プラークに由来する酸がエナメル質表層下のミネラルを選択的に脱灰する表層下脱灰病変(初期う蝕)では、定期的に応用されるフッ化物イオンの存在によって、唾液中のカルシウムやリン酸が脱灰部に取り込まれ、ミネラル濃度が健全な程度まで回復する再石灰化現象が促進されます。

④口腔細菌の代謝活性抑制作用

唾液中のフッ化物濃度が5~10ppmくらいになると細菌が産生する解糖系の酵素エノラーゼの活性を阻害し、解糖過程がブロックされると同時に解糖系の中間代謝物フォスフォエノールバイルベートの濃度が低下するため、糖質の細菌への取り組みも阻害され、酸産生が抑制されます。

 

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